サガフロの没頭感はそのままに。プレイは快適に。
開発陣のサガフロ愛が伝わる良リマスター。
夏休み期間のSwitchのソフト割引セールでサガフロ（とサガスカ緋色の野望）を買いました。前々から気になっていたけど小遣いの残額との兼ね合いで買うのを先延ばしにしていたゲームです。ようやく買うことができて、サガスカ→サガフロの順で遊んでいました。
サガフロリマスター、これいいですよ。かつてサガフロをやった人にこそおすすめしたい。プレイ速度変更と強くてニューゲームが快適なプレイ環境を作り、ヒューズ編の存在がサガフロを「サガフロ完全版」として完成させてくれました。かつてのファンはこの完全版を遊ぶべきです。物語の全てが補完されます。
プレイ速度について
移動速度変更とバトル速度変更があり、それぞれ1倍、2倍、3倍から選んでセットすることができます。速度変更のやり方は右スティックを押し込むだけ。カチっとすれば、1倍→2倍→3倍→1倍…とシームレスに変わってくれます。
もうこの文章は旧版サガフロ経験者が読んでる前提で割り切って書いちゃうんですが、サガフロって結局は延々とバトルの繰り返しじゃないですか。僕の考えた最強のキャラ育成を目指して効率的にバトルを繰り返す。いわゆるハムスターゲー。そんなサガフロ、というかサガシリーズとバトル速度変更は相性が良すぎます。快適ですよ。生命科学研究所に入ればサクサクキャラが強くなる。
スピードが上がるとバトルが目まぐるしくてアレなんじゃ…という不安は自分にもありました。が、そんな不安は杞憂でしたね。爽快なんですよ、ハイスピード化したサガフロの戦闘。サガフロは元々シリーズでもトップクラスのド派手な戦闘が特徴でしたが、あのエフェクトが高速で展開されると、一層派手になるんです。こればかりは体験してくれとしか言えません。良いですよ。
移動シーンのプレイ速度変更も優秀。移動が早くなるだけじゃなく、会話速度やイベント中のキャラの動きも高速化されるので、早送りしたいイベントをサクサクと進められます。サガフロリマスターをやる人間なんていうのは大体旧版経験者でしょうから、飛ばしたいイベントをサクッと終わらせて話を進められるのは快適ですよ。
「移動が早いと敵も早くて避けれないのでは？」という疑問があると思います。実際避けれません。移動速度を上げた状態だと、片っ端から敵シンボルにぶつかります。でも問題ないです。ぶつかっても高速戦闘であっという間に終わりますから。敵にぶつかってから出現シーンを経て技を選んで〜までが速いのがいいですね。
速いサガフロ、これは旧版サガフロ経験者が快適にサガフロを楽しむためのプレゼントだな〜と勝手に幸せになりました。
強くてニューゲーム
ゲーム中では「ニューゲーム＋」と言われています。アイテムとかHPとかクレジットとか、あれこれ引き継ぎができます。中でも敵ランクの引き継ぎができるのが強烈ですね。新しく始めたゲームでもすぐに朱雀出ます。
サガフロはキャラの育成が楽しみの一つですので、そのキャラを引き継げるのは良いですね。
アイテムや能力値、閃いた技なんかを引き継いだ上で、敵ランクも引き継いじゃう。すると新主人公で初めても、かつての強キャラを連れてきて、生科研でスパルタ的に新キャラを鍛えてこれまた強くする。それでもボスは高ランク状態ってことでそれなりに強く、案外ホネのあるラストバトルになります。
引き継ぎすると面白く無くなると感じる人もいるかと思います。この引き継ぎはどの項目を引き継いでどれを引き継がないかを細かく決めることができます。
やってみると、このニューゲーム＋は後述のヒューズ編を楽しむためのパスポートみたいなもんだな〜って思いました。
ヒューズ編
サガフロリマスターの大本命でしょう。八人目のキャラクター「ヒューズ編」。旧版ではレッド編以外いまいちパッとしなかった彼です。
ヒューズ編の本質は「各主人公のストーリーの補完」。それぞれのストーリーをヒューズが横から別視点で眺めるように話が進み、最後は各ストーリーのラスボスを倒した後にエンディングの後日談的なものが語られ物語が補完されます。例のロマンシングな終わり方をしたブルー編も、ヒューズ編ではもう少しブルーの人となりが補完されますよ。
裏解体新書の最後にあった小説、読みました？あれを書いたのはベニー松山さん。その彼が今回ヒューズ編のシナリオを書いてくれました。これを聞くだけでも人によっては期待度上がりますよね。あの小説最高に楽しかったので。実際、ヒューズ編はあんなノリで話が進みます。
ヒューズ編は短編小説のようなもので、開始からラスボスまでが他主人公に比べかなり短いです。なので、キャラを育成しても活躍の場が少ないのが実情。これはつまり、「ニューゲーム＋」の使用が推奨されているということです。鍛えたキャラ達でストーリーの鮮度を保ったままサクサクっと話を進めていくのが楽しいんじゃないかな〜と思います。
ヒューズ編はブルーとかレッドとか、これまで仲間にすることができなかったキャラ達も普通にPTに加えられるので、自己満に自己満を重ねた自由な最強PTを楽しむことができます。
ヒューズ編もまた、旧作プレイ組に対する河津神からのビッグなプレゼントなのかもしれません。
開発2部が幸せだった件
サガフロクリア者が辿り着ける場所「開発2部」。
今回はこの開発2部が二つあります。一つは旧版の開発2部。そしてもう一つが今回新しく用意された「リマスター版開発2部」です。バカラを舞台に、リマスター版の制作に関わった人達がコメントを出してくれています。
このコメントが良いんですよ。内容の多数を占めているのが「かつてプレイヤーとして没頭したサガフロにまさか制作側として関われるとは…感無量！」みたいな感じ。世代が一周したんですね。河津さんも嬉しかったんじゃないでしょうか。
リマスター版開発二部に来て歩いてみるとわかります。この作品がサガへの愛に溢れた情熱の塊だということに。サガフロリマスターはかつてサガフロで少年時代を燃やした世代が河津さんの元に集結した、サガというコミュニティの歴史の一つの到達地点です。
まだ未プレイの方は、ぜひリマスター版開発二部まで行って、サガの血が流れる若き開発者達の喜びを感じ取って欲しいです。
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